「幻の駅」1. 石勝線東オサワ駅

〈位置〉 オサワ―清風山 間

〈開業〉 昭和56年10月1日

〈乗車客数〉 0




〈概要〉

すぐにわかった人も多いと思うが、上の2枚は”本物ではない”ので念のため。
楓―占冠間は28.6kmも離れているため、当初の計画では中 間に「長和」「新登川」「ニニウ」「鬼峠」の4駅を建設する予定であった。 ところが、運悪く、駅の建設が晩年の大規模な国鉄改革の時期と重なり、民家も疎らな山間では採算がとれないという理由から、各駅とも信号場に格下げの形で 建設が始まった。


位置 建設予定駅 設置信号場
楓―占冠間 長和 オサワ
楓―占冠間 新登川 東オサワ
楓―占冠間 ニニウ 清風山
楓―占冠間 鬼峠 鬼峠
占冠―石勝高原間 東占冠 東占冠
占冠―石勝高原間 滝の沢 滝の沢
占冠―石勝高原間 下トマム トマム
石勝高原―新得間 串内 串内

※表中、石勝高原(予定では上トマム)駅は昭和62年にトマム駅に改称されたため、トマム信号場もホロカ信号場に改められた。

もし、石勝線の開業がもう10年早ければ、計画通りの着工となった可能性が高く、実際、昭和56年頃に発行された道路地図の中には、建設予定の各駅が既に刷り込まれたものもあった。(下図)


※図中、駅名の「ながわ」は「おさわ」の誤りで、「くしま」も「くしない」の誤読と思われる。かなりいい加減だ。


標高264mの新登川駅建設予定地に造られた東オサワ信号場(左図)周辺には、かつて小学校を置くほどの集落があったが、現在は過疎化が進み、わず かな民家を残して廃屋が軒を連ねている。楓駅の廃止がささやかれているなか、たとえ東オサワ駅(もしくは新登川駅)が開業の運びとなっていたとしても、い ずれ廃駅や信号場への降格の憂き目に会った可能性が高いと思われる。なお、ここから14~15km東寄りのトンネルの中(?)にあったという鬼峠信号場は 昭和61年3月3日に廃止となってしまった。